ウェディング

ウエディングをしない理由、その選択肢と心理

結婚式をしない割合とトレンド

現代のカップルの動向と統計

 近年、結婚式を行わないカップルの割合が増加しており、2023年の調査では約45.3%のカップルが結婚式を挙げないという結果が示されています。過去においても同様の傾向が見られ、2021年にはその割合が約50%に達しています。

 統計データを見ると、結婚式や披露宴にかかる費用が大きな負担となっていることが一つの理由です。例えば、結婚式の平均費用は354.9万円で、カップルが自己負担する金額は約150万円です。この金額は20〜30代の年収と比較すると大きな負担となり、結婚式を避ける理由の一つとなっていることが分かります。

 また、結婚式の規模も傾向として変わってきており、招待人数の平均は51.7人で、規模が大きい結婚式(90人以上)は全体の14.3%に留まっています。このように、現代のカップルは結婚式に対する考え方やアプローチが多様化していると言えます。

「ナシ婚」の増加

 「ナシ婚」とは、挙式や披露宴を行わない結婚スタイルを指し、経済的理由や形式的な儀式への必要を感じないカップルが選択することが増えています。このスタイルは特に若い世代で広まっており、2023年の調査では約45.3%のカップルが「ナシ婚」を選んでいます。

 ナシ婚を選ぶ理由は多岐にわたりますが、最も多いのが金銭的な負担を避けたいというもので、具体的には「他のことにお金をかけたい」が約40%を占めています。また、「みんなの前での恥ずかしさ」といった心理的な要因も大きいです。結婚式を挙げるカップルの中でも、約20%が「呼びたい人がいない」という理由で挙式を行わないことが多いです。

 さらに、結婚式をしないカップルの中で「後悔を感じる」と回答した割合が約4割に上ることも特徴的です。とはいえ、結婚式をしない選択は各カップルの価値観や状況に深く関わり、現代社会において多様な結婚の形が認められる流れを示しています。

 ウエディングをしない選択が増える中でも、自分たちにとって最善の形を見つけることが重要です。

結婚式をしない理由

費用の負担

 結婚式をしない最大の理由の一つは、費用の負担です。結婚式や披露宴にかかる平均費用は約354.9万円となっており、これは多くの若いカップルにとって大きな負担です。特に20代から30代の新郎新婦にとって、年収に対する結婚式の費用は高額であり、経済的な理由からウエディングをしない人が多いです。具体的には「他のことにお金をかけたい」という理由で、挙式を控えるカップルが全体の約40%を占めています。

準備の大変さ

 結婚式の準備は多くの時間と労力を要します。招待状の作成、会場の選定、ドレスやタキシードの準備、リハーサルなど、結婚式のすべての詳細を計画することはストレスフルな作業です。そのため、忙しい日常生活を送りながら準備をすることが困難なカップルも少なくありません。このような理由から、あえて結婚式をしないという選択をするカップルが増えています。

恥ずかしさとプライバシーの確保

 結婚式には多くの招待客が参加しますが、みんなの前で注目を浴びることに対して恥ずかしさを感じるカップルもいます。また、プライバシーを大切にし、親しい友人や家族とだけの静かな時間を過ごしたいという思いから、挙式を行わない選択をすることもあります。特に「呼びたい人がいない」という理由で挙式を避けるカップルが約20%いるようです。

個人価値観の変化

 現代のカップルは、結婚式に対する価値観やスタイルが多様化しています。ナシ婚スタイルが増加している背景には、形式にとらわれない自由な生き方を選ぶカップルが増えていることがあります。特に若い世代では、結婚式をしない理由として、形式的な儀式に対する必要性を感じないという考え方が広まっています。このように、結婚式をしないという選択は、時代とともに変化する個人価値観を反映しています。

結婚式をしない夫婦の選択肢

 結婚式をしないカップルが増加している中で、それぞれのカップルは様々な代替手段を選んでいます。以下、代表的な選択肢を紹介します。

フォトウエディング

 フォトウエディングは、大勢のゲストを招待することなく、プロのカメラマンによる写真撮影をメインにしたお祝いのスタイルです。ウエディングドレスや和装を着て、美しいロケーションで撮影を行います。フォトウエディングは費用を抑えつつ、思い出に残る瞬間を写真に残せるため、若い世代を中心に人気があります。

少人数の食事会

 少人数の食事会は、家族やごく親しい友人だけを招いて行うシンプルな形式です。一般的な結婚披露宴よりも規模が小さく、アットホームな雰囲気が特徴です。費用も抑えられ、ゲスト一人ひとりとゆっくり過ごすことができるため、多くの夫婦に選ばれています。

二人だけの挙式

 二人だけの挙式は、カップルそのものに焦点を当てた親密なイベントです。結婚式という形式を取るものの、ゲストを招待せず、二人だけで愛を誓い合います。これにより、プライバシーを確保しつつ、より個人的な儀式とすることができます。

ソロウェディング

 ソロウェディングは、結婚する予定がない人や、自己表現の一環として結婚式を行う人が選ぶスタイルです。この形式では、特定の相手がいなくても、ウエディングドレスを着て写真を撮ったり、自分自身を祝うイベントを行ったりします。自己愛や自己肯定感を高める目的としても人気があります。

結婚式をしないことのメリット・デメリット

後悔とその回避方法

 結婚式を挙げないことを選んだカップルの中には、後悔を感じるケースも少なくありません。調査によると、結婚式を挙げなかったカップルの約4割が後悔を感じると回答しています。その理由としては、「ウエディングドレスを着て写真を残したかった」や「家族や友人と特別な時間を共有したかった」などが挙げられます。

 こうした後悔を回避するためには、事前によく二人で話し合い、結婚式をしない代替案を検討することが重要です。例えば、フォトウエディングを選ぶことでドレスを着て写真を残せるだけでなく、少人数の食事会を開催することで親しい人たちとの特別な時間を過ごせます。また、二人だけの挙式を選ぶことで経費を抑えながらも記念のひとときを持つことができます。

親孝行とのバランス

 結婚式を挙げない選択をするときには、親との関係も重要な要素になります。親にとっては子どもの結婚を祝う大切なイベントであり、その機会を失うことは寂しさを感じさせることもあります。特に伝統や家族の意向を重視する場合、この点には十分な配慮が必要です。

 そんなときは、事前に親としっかり話し合い、理解を得ることが大切です。例えば、少人数の家族だけの食事会を開催することで親孝行できる場合もあります。結婚式をしない人の中には、このような方法で親とのバランスを取ることで双方が満足する選択をしている人も多いです。

 また、結婚式を挙げない代わりに家族と一緒に旅行を計画するのも一つの方法です。こうした工夫をすることで、親にも特別な思い出を提供でき、ウエディングをしない人でも親孝行を実現することができます。

結婚式をしない心理

目立ちたくない心理

 結婚式をしない理由として、「目立ちたくない」という心理が挙げられます。結婚式は多くのゲストの前で二人の誓いを立てる場ですが、その注目度が負担に感じられるカップルも少なくありません。特に内向的な性格の方にとって、大勢の前でスピーチや挨拶を行うことはストレスとなります。「ウエディングをする人、しない人」の心理的な違いとして、自己表現が苦手な場合や極度の緊張を感じる場合などが影響していることが多いです。

個人主義と繋がりの希薄化

 現代のカップルの中には、個人主義が強く、結婚式によって築かれる人間関係の深まりをあまり重視しない人も増えています。かつては結婚式が家族や友人との重要な交流の場とされましたが、現在ではオンラインでの繋がりや日常的なコミュニケーションを重んじる傾向があります。このようなカップルは、形式的な儀式よりも日々の生活や二人だけの時間を大切にしたいと考え、「ナシ婚」を選ぶことが多いです。結婚式をする人、しない人の背景には、こうした価値観の違いが絡んでいると言えるでしょう。